2025年6月22日に阪神競馬場で行われた第1回**しらさぎステークス（GIII）**は、キープカルムが5番人気の評価を覆し、見事に勝利を飾りました。芝1600mで行われたこのレースは、今後のマイル路線の勢力図を占う上で非常に興味深い一戦となりました。

レース展開と勝因

好スタートからハナを主張したのは、外枠から積極的に出た馬たちでした。しかし、全体的には極端なハイペースにはならず、中団以降の馬にもチャンスが残る流れとなりました。そんな中、キープカルムは中団のやや内目で脚を温存し、直線で外に持ち出すと坂を駆け上がり力強く伸び、先行勢を差し切りました。上がり3ハロンもメンバー上位の脚を使い、持ち前の末脚を存分に発揮した形です。鞍上の坂井瑠星騎手も、冷静な判断と完璧なエスコートで勝利に導きました。

注目馬たちの明暗

1番人気に推されたチェルヴィニアは、直線で一旦は先頭に立つ勢いを見せましたが、キープカルムの強襲に屈し2着。惜しくも勝利を逃しましたが、牝馬ながら強敵相手に堂々とした競馬を見せてくれました。今後のGI戦線での活躍も期待されます。

3着には14番人気のコレペティトールが入り、大波乱を演出しました。人気薄ながら直線でしぶとく脚を伸ばし、複勝圏内を確保したのは見事の一言です。

その他、2番人気のレーベンスティールは59kgのトップハンデを背負いながらも7着と掲示板を外しましたが、見せ場は作っており、今後の巻き返しに期待がかかります。上位人気に支持された馬が総じて苦戦する中、実力と適性が問われる結果となりました。

総括

今回のしらさぎステークスは、キープカルムが潜在能力の高さを見せつけ、重賞初制覇を飾った価値ある勝利と言えるでしょう。混戦模様だったマイル路線に新たな風を吹き込む一頭となる可能性を秘めています。また、波乱の決着となったことで、馬券的にも非常にエキサイティングなレースでした。この結果を踏まえ、夏の開催、そして秋のGI戦線に向けて、各馬の動向が注目されます。